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六代目蔵元 佐藤淳平 私の履歴書

梅酒から山形果実へ(楯野川新聞 2014年6月11日号より)

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いつもありがとうございます。

楯の川酒造 六代目蔵元の佐藤淳平です。

前回は、「子宝梅酒」の製造開始のときを振り返りましたが、こちらが思った以上に酒販店様からのオーダーが多い状況になりました。

今だから言えますが、当時は和歌山の南高梅を使用しているわけでもなく、造り手として決して満足のいく味わいではなかったのですが、タイミングが良かったのか何なのか、初年度漬け込んだ梅酒のタンク一本が直ぐに予約で完売いたしました。 これを契機に、私個人として日本酒の市場とはまた違った梅酒やリキュールのマーケットの存在に気づきます。それまでは、「梅酒やリキュールを製造するなど日本酒の蔵元が行うべきではない。邪道だ。」という考えを持っていたのですが、それが根本的に、180度変わるような…それくらい衝撃的な出来事でした。

その後、梅酒に次ぐ山形らしいリキュールが出来ないものかということで、果物王国山形を生かした子宝リキュールの開発に着手いたします。私自身、日本酒造りの楽しさとは、また違った商品開発の楽しさを覚え、ぶどうやラフランス・山葡萄など山形を全面に出したリキュールを展開していくこととなります。今では当たり前のようにありますが、その当時まで世の中に全く存在していなかった新しい商品を製造しマーケットに出していくことが非常に楽しかった記憶があります。

※写真は梅酒瓶詰の様子。現在は果汁と合わせたものも含め六種類の梅酒が製造されています。

六代目蔵元 佐藤淳平