大学4年生の時にマレーシアに留学して気づいたのが、日本という国の素晴らしさでした。将来は日本文化の素晴らしさを支えていく仕事がしたいと思ったのも、このときです。それが楯の川酒造に結びついたのは、私自身が日本酒好きだったからです。
学生時代に私は和食店でアルバイトをしており、その店で飲んだのが当社の「純米大吟醸 本流辛口」。辛口の飲み口に、それまで純米大吟醸に抱いていたフルーティーなイメージが根底から覆るほどの衝撃を受けました。これこそ私が貢献すべき日本文化の象徴であり、日本酒に馴染みのない同年代にこの素晴らしさを知ってほしいとの想いから、楯の川酒造で働きたいと思ったのです。
もちろん不安はありました。古い業界ですし、学生にとって酒蔵は未知の領域です。どんな世界が自分を待ち受けているのだろうという懸念がありました。しかし思い切って飛び込んでみたら、それはまったく杞憂に。社長自身の先進的な考え方が浸透し、会社は古いしきたりなどにまったくとらわれないカルチャーでした。蔵人も心暖かい人ばかりで、閉鎖的な面もなかったです。それまで足を踏み入れたこともなかった山形県にもすぐになじむことができて、今では第二の故郷のようです。
製造部で1年半、酒造りを学んだ後、首都圏の市場を担うべく営業として東京に異動しました。酒販店やコンシューマーと接する中、縮小する日本酒市場の中で当社は確かな存在感を放っていると実感。認知度を高めていけば新たな市場を開拓する、高いポテンシャルを秘めているという手応えを感じています。
こうした経験をもとに現在私は企画営業課の一員として、ひとりでも多くの「楯野川」ファンを創出することに注力しています。具体的には飲食店でのペアリング会の実施や、取引先とのイベント開催/出展など、コンシューマーとの接点を増やし、「楯野川」の美味しさを伝える活動に力を入れています。
ユニークな試みとしては、アメリカの世界的ロックバンドとのコラボレーションも仕掛けました。新しいアルバムのプロモーションに協力し、ラジオの取材なども入りましたが、世界的な人気バンドだけあって、海外からの反響が多かったです。海外市場の開拓に力を入れている当社の戦略ともうまく合致できました。
こうした活動が世の中に拡散していくことで、SNSでは「楯の川酒造はチャレンジングな蔵だよね」「山形の日本酒といえば楯野川だよね」というコメントが目につくようになりました。私自身「楯野川」という日本酒が大好きで入社をしているので、同じように「楯野川」を美味しいと言ってくださるお客様が増えていくことは嬉しいですし、大きなやりがいを感じています。
現在私は神奈川県の逗子市でリモートワークをしています。取引先が多く、市場規模の大きい東京の近くで仕事をするためです。平日はしっかりと仕事をして、休日は自然豊かな環境でリフレッシュできるので、PC1台でどこでも自由に仕事ができる組織体制は快適で、気に入っています。日々の業務は基本的に1人。大きな裁量を任されています。佐藤社長や上長からも「結果さえ出せば、ワークスタイルは任せる」と言われており、これが何事にもチャレンジさせてくれる当社らしい企業風土です。
もちろん「結果さえ出せば」との言葉通り、裁量には責任が伴います。営業担当として『売上』という数字は常に追い求めていかなければいけません。今ある市場のみならず、新しい市場の開拓にも力を入れていきます。これからはミュージシャンとのコラボによる音楽イベントが仕掛けられないかと画策中。日本酒を飲んでもらいたい若い層に新しい切り口でアプローチしたいと考えています。
私は愛知県の出身です。山形県の蔵元に就職したいと言い出したとき、両親はとても心配げでした。それが今ではすっかり父も当社の日本酒のファン。仲間と一緒によく飲んでくれているようで、そんなことも私の喜びです。
営業部企画営業課 課長 / 2015年入社(新卒)
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